災害時の給与について紹介します。
帰宅困難者になった時は、残業代は貰えるか
結論から言うと、「残業代をもらえる時」と「貰えない時」2つのパターンがあります。
・もらえるとき
災害時、帰宅困難が見込まれる従業員が会社に待機している間に、電話対応等が義務付けられている場合には会社の指揮命令下にあると考えられ、会社側には残業代としての時間外割増賃金の支払い義務が生じます。何故なら、労働時間とは、従業員が会社の指揮命令下に置かれている時間を示すからです。
・もらえないとき
業務や電話対応などが義務付けられていなければ、労働時間といえず、残業代の支払い義務は生じません。
緊急事態に備えて、休日に自宅待機を命じられた場合
結論から言うと、貰えない可能性が高いです。
どうして!?
自宅待機の場合、テレビを見たり、食事や入浴をするなど、行動が自由です。そのため、一般的に、会社の指揮命令下にあるとは言えません。このような見方から、労働時間として取り扱う必要はなく、賃金の支払い義務は生じないのでもらえない可能性があります。
でも、本来の休日とは異なる取扱であるから、自宅待機命令を受けた時は不公平感を持つ事もあるかと思います。その場合は、会社は手当てとして、一定の金額を支払うなどの検討も必要になります。
また、自宅待機中に業務連絡等が頻繁に入るような状況にあれば、労働時間と判断され、賃金支払い義務が生じる可能性もあります。
この場合、週40時間を超えていれば時間外割増賃金が、その日が法定休日であれば休日割増賃金が必要となります。
工場や店舗・事務所などが倒壊して、働けない時
結論から言うと、貰える可能性が高いです。労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない」として、「休業手当」の支払いを定めています。その為、賃金は貰えるケースが多いです。
【注意】下記場合は休業とはなりません。
① その原因が事業の外部より発生した事故であること
② 事業主が通常に経営者としての最大限の注意を尽くしても、なお避けることのできない事故であること災害等で工場・店舗・事務所が倒壊し、営業不可能となったような場合は不可抗力に該当すると考えられ、休業手当を支払う必要はありません。
最後に
地震が起きた時に適切な判断ができる為、会社に対してきちんとした対応ができる為にも是非参考にしてください!