人工知能と保険の関係性

飛躍的な進化を遂げる人工知能(AI)

人工知能とは、学習したり判断したりといった人間が持つ知能を人工的に実現しようというコンピュータシステムのことです。

人工知能は近年、飛躍的な進化を遂げています。例えば、世界トップレベルの棋士との囲碁対局で人工知能が勝利したというニュースや、人工知能とその研究者達が共作した小説が、文学賞の一次審査を通過したことなどが大きな話題なった事もあります。

 

人工知能を活用したサービスが拡大。自動車保険業界でも導入進む

人工知能の技術を、ビジネスやサービスの面で活用しようという企業が増加しています。 大手百貨店では、人工知能がファッションコーディネートを行う試着サービスを導入しています。また、ある大手銀行では、ヒト型ロボットを支店内に配置して接客に活用するという取り組みを行っています。

現在、人工知能を活用する動きは自動車保険業界、損害保険業界でも加速してきています。一例として、三井住友海上は2015年4月から、損保ジャパン日本興亜は2016年2月から、それぞれコールセンターに人工知能を活用した音声分析・認識システムを導入しました。あいおいニッセイ同和損保も現在さまざまな観点で研究をしており、強く前向きに検討しています。

これらは、顧客からの電話での問い合わせに対して、人工知能が過去の問い合わせ事例などのデータを分析し、コールセンターのオペレーターに問い合わせ内容に沿った回答候補を提示するというものです。これらのサービスにより、質問の待ち時間の短縮などを図る事が可能となります。

自動車保険における人工知能の今後の活用は?

飛躍的な進化を遂げ、企業によるビジネスやサービス活用も拡大しつつある人工知能。将来的に、自動車保険業界では、より積極的に導入・活用されることが考えられるかもしれません。例えば、既にコールセンターのオペレーターを支援することを目的に、一部の自動車保険会社のコールセンターで人工知能の導入が進んでいます。

他にも、一部の投資銀行では、顧客への投資商品の提案に人工知能が活用されているケースがあるようです。人工知能は膨大なデータの集積や、データを瞬時に分析・解析するといった強みを持っています。

このようなサービスは今後、一層、拡大していくことが見込まれており、その結果、迅速さや的確さといった利便性向上につながることが期待できそうです。

しかし、リスクとしては、誤作動やハッキングといった新たなリスクが懸念されてくるかもしれません。人工知能の活用のあり方や、ビジネス・サービス分野での実用化の今後について、注目しておくといいでしょう。