大学まで男女平等と教わってきたにも関わらず、就活の場になると、いきなり女の人には「女性向け」「女子就活」「女性のキャリア」と性別で分断されるピンクの門が表れるといわれます。そんなピンクの門の代表格、実際に採用の大半が女性となる「一般職」の実態については、なかなか知られていないのではないでしょうか。
そこで今回は、よくも悪くもこれがリアルな「一般職女性」の現実について、年収から合コン事情までを紹介します。
下手な総合職より稼ぐトップ一般職
「年収は20代で500万円、30代で800万円くらいですね」と衝撃の数字を語ってくれたのは、大手商社で一般職として活躍する方からの情報です。。一般職といえば、総合職のアシスタント業務が役割。従って低めの年収を想像する方も多いかと思いますが、下手な総合職よりも稼いでいることがわかります。
トップ商社のように総合職20代で年収1,000万円を超える企業であれば、たとえ一般職でも500万円の年収を得られるケースもあるようです。9時5時勤務のため、時給換算では総合職を超えることも多いそうです。さらに実家暮らしの女性が大半のため、人によっては「収入が全部おこづかい」という羨ましい境遇にあります。
男性の平均所得が下がった現在では、結婚後も退職しない一般職女性が増加しているそう。「子供を産んでからも復帰できる」という大きなメリットを享受する反面、夫の転勤へついて行くなら退職以外の選択肢がなく「転職すれば給与が数百万円下がることは分かってる。しかもスキルがないからこれからの人生、すごく不安が大きい」という悩みも打ち明けてくれました。
ただし、企業によっては「一般職という名目で低賃金の採用をされたのに、実際は総合職と同じ月残業150時間の営業まわり」といった例もあります。「一般職」という単語がブラック企業によって悪用されることもある点に注意しておきましょう。
合コンは「多くて週1」結婚意欲はそんなにない?
かつての一般職といえば「アフター5は合コンざんまい、早くいい男見つけて結婚しなくっちゃ」というよくいえば要領のよい女性のイメージがある人もいたと思います。しかし現在の一般職は「合コン? いっぱいあるときで週1ですかね」とドライな感じが現状のようです。特に商社や大手保険会社などに勤める女性は年収400万~800万を維持できることから、かえって結婚へのインセンティブが下がっていると社員から聞きました。逆に中小企業のメーカーや地方で勤める女性は年収が200万円台のことも多く、婚活にも熱心になるという「一般職内の格差」が表れています。
埼玉県の機械部品メーカーで一般職として勤めつつ婚活に励む方は、週5日はデートや合コンに費やしているとお話をいただきました。「理想は今のうちに海外転勤する前の商社マンと結婚。寿退社して駐妻になりたい」と夢を語ります。手帳を拝見すると外資系営業、商社、官僚、コンサルタントと有名企業に勤める男性との予定がずらり。
「私にとっては、婚活が就活ですね。私は女子大卒だし、頭もよくないし。だからちゃんとした男性と結婚して、普通の人生を送りたいだけです。子供が産まれたらちゃんとママとして育てたい。私立の女子校で楽しく育ったんで、やっぱり自分の子にも同じ経験をさせたげたいって思ってます」
緻密なデートのスケジュールを管理し「癒し系妻」を目指すBさん。理想とする生活を手に入れるためにこつこつ努力を重ねる姿はさながらアスリートのよう。人生のゴールは何か、そのためにどう戦略を立てるべきか……結婚に限らず、キャリアを考える上で学ぶべき合理的視点でした。
「面白さ」と「金払い」で斬る合コン男子マップ
今回、複数の一般職女子からお話を伺うにあたりどうしても質問したかったこと、それは「合コン男子を、企業で分類するならどんな感じですか?」という身もフタもない内容でした。そんなヒアリングを基に作成した企業名別・合コン男子マップがこちらです!
今回マッピングをするにあたり、実際の年収よりも「女性にどれだけお金を使うか」という合コンならではの目線で軸を作成ました。証言を基に作成しているため全業界の網羅性がないことはご容赦ください。
詳しいコメントは控えますが「えっ、意外」と思う企業がいくつもあり「就活の企業研究」に「合コンでいかにお金を使うか」という視点を入れるだけでライフスタイルの片鱗が見えてきます。このように、企業研究では単に「四季報の数字」だけでは見えてこないさまざまな視野で分析できるとより深い理解へ繋がるはずです。
おわりに
今回、一般職の年収から合コン男子のマッピングまで幅広く一般職女子の証言を集めてまいりました。一般職の業務内容から、彼女たちの目から捉える総合職像まで、一言では括れないバリエーションがあることが伝わったかと思います。
これから就活を進める際には年収やマップ位置づけといった「比較で表せるデータ」に一喜一憂するのではなく、企業研究を通じて数字では表せない社風を掴んでいってください。