新幹線運転の仕事につくには

新幹線運転の仕事につくための方法について紹介します。

電車運転士は、列車の運転をする仕事ですが、簡単な仕事ではなく、運転は職人技とも言われています。安全に運転をし、電車を正確に到着させるために、天候や線路の状態、乗客数などを考慮して、加速やブレーキを調整しています。また、出発前の点検作業や到着後の報告、事故の対応なども行います。電車運転士になるためには、鉄道会社に就職することが必要です。学歴は特に問われませんが、工業高校や商業高校の卒業生の採用実績が多くなっています。入社後は駅員や車掌を数年経験し、適正が認められれば電車運転士の道に進むことができます。待遇は安定していますが、都市部の大手鉄道会社と地方の鉄道会社とでは、給料に開きがあります。

 

電車運転士の仕事内容

運転の基本は「安全・正確・快適」

電車運転士は、列車を運転して、乗客を安全に目的地まで連れて行くことです。電車運転士は人々の交通手段として欠かせない電車を運転するプロですが、この仕事の基本として常に忘れてはならないのは、「安全」「正確」「快適」の3点です。

乗車している何百人、何千人もの人の命を預かるため、運転士の運転は絶対に安全なものでなければなりません。そのため、日ごろから運転技術を磨くことが必要です。運転は職人技とも言われています。同じ車両でも気象条件や乗車率によって微妙にブレーキのかけ方を変えるなど、状況に応じた判断力と集中力が求められます。

また、全ての電車は決められたダイヤに沿って動いています。もし1本の電車が遅れてしまえば、その他の電車にも影響が出てしまうため、いつでも時間には正確でなければなりません。電車は秒刻みでダイヤが組まれており、時間通りに運転することも運転士として必須のスキルです。

さらに、快適さも重要な要素です。満員電車の中で急ブレーキをかければ乗客同士がぶつかって危険ですし、何より心地よくありません。いつでもスムーズな運転を心がける必要があります。

 

サービス面も重要

安全・正確・快適に乗客を運ぶことは大切ですが、運転士の仕事や鉄道会社そのものは、「サービス業」の一面もあることを忘れてはなりません。

運転士は、駅員や車掌に比べれば直接乗客と接する機会はあまり多くないものの、駅構内の移動の際などには利用客と顔を合わせることがあります。また、運転室はたいていガラス張りで、車内からも見えるようになっています。

一人の運転士の態度の善し悪しが会社のイメージや評判に大きな影響を及ぼす可能性もあるため、仕事に向き合う姿勢は、常に誠実かつ丁寧なものでなくてはなりません。

 

事故時の対応も大切

大事な仕事のひとつとして、事故時の対応もあります。突発的に事故が起きた場合は、乗客の安全を第一に考えて、車掌と協力の上、安全な場所へ避難させることが求められます。

電車運転士は冷静な判断力と、行動力が必要な仕事と言えるでしょう。

 

電車運転士になるには

現場職は高卒者が中心

電車運転士になるには、鉄道会社の「鉄道現業職」採用試験を受験し、社員として採用される必要があります。ですが、鉄道会社からの求人情報は「指定校制」として、過去に採用実績のある高校にくることがほとんどです。

高校生の就職の場合、大学のように学生が自分で会社を探してエントリーするのではなく、学校を通しての応募が基本となっているためです。

そのため、電車運転士を目指すのであれば、電車運転士の就職実績がある工業高校や商業高校に進学するのが近道となります。

 

運転士になるには年月が必要

鉄道会社の社員になっても、いきなり運転士の仕事ができるわけではありません。まずは駅員としてお客さま対応や改札業務など、駅の利用客と直接接しながら1年から数年間さまざまな経験を積みます。

その後、社内の試験に合格すれば車掌になることができます。そこでも数年間の経験を重ねたのち、国家試験を受けて運転士の免許を取得することで運転士として働けます。

同じ車掌や運転士でも、会社によってはその中で細かく等級が分かれているケースもあります。また、全ての駅員が車掌に、また車掌が運転士になるわけではありません。

本人の希望や適正によっては、ずっと車掌としてキャリアを重ねる人もいますし、運転士になってからも状況に応じては車掌の業務を行う人もいます。

 

運転士の免許

車掌業務を経て運転士になるためには、養成所で4カ月程度の訓練を受けたあと、「動力車操縦者免許」の国家資格を得なければなりません。

この国家試験は、国土交通省の委託を受けて各鉄道会社が実施しています。専門的な筆記試験や身体検査、適性検査などのほか、技能試験も行われます。

「動力車操縦者免許」にはさまざまな種類があり、電気を動力として走る電車の運転に必要な「甲種電気車」や、路面電車を運転するための「乙種電気車」など、取得した免許によって運転できる車両が決まります。なお、大きな鉄道会社の場合は、動力車操縦者免許の試験が免除されていることがあります。

また、新幹線を運転するためには「新幹線電気車」の免許が必要です。いざ運転士になってからも、キャリアアップのためには勉強と訓練が続きます。電車運転士として経験を重ねた後、昇進試験に合格すれば、運転区所の所長や駅長に昇進することができます。

 

大卒者でも運転士になれる?

大卒者を対象とした社員採用試験も実施されていますが、大卒者の場合は車掌や運転士などを目指すのではなく、「総合職」として本社で働きながら幹部を目指す道が一般的となっています。

ただし、近年では大卒者でも鉄道現業職を希望する人のために、別の採用区分を設ける会社も増えつつあります。

 

電車運転士に求められる能力

<責任感>

多くの乗客の命を預かる仕事のため、責任感があることが大切です。

<集中力>

分刻みのダイヤを正確に運行するために、常に気を配らなければならないので、集中力も必要になってきます。

<判断力>

トラブルの際に冷静に対処できる判断力も求められます。

 

電車運転士の現状と今後の見通し

電車の自動化が進み、運転の負担は軽減しつつあります。一方で、車掌が不在の列車が増えてきています。そうした電車では運転士が一人で全ての仕事をしなければならないため、運転士にかかる責任は重くなっています。

環境の観点から、鉄道に対する注目は高まっており、今後も電車運転士に対する需要は変わらないでしょう。