参議院議員事務職員とは?

2017年7月3日東京都議会選挙がありました。その中で、元秘書の方で平愛梨さんの弟さんが当選しましたね。今回は、その議員事務職員とはどんな仕事か紹介をします。

 

参議院・衆議院事務局職員とは

 

参議院・衆議院事務局職員は、「国会職員」という特別職の国家公務員に分類されます。まず、うややこしいと思いますが、公務員になります。次に。仕事内容は大きく分けて、会議運営事務や調査、一般事務に携わる「事務職」と、院内の警備や要人の身辺警護、来訪者対応などに携わる「警備職」の2種類があります。要は職種は2つあります。

 

この仕事に就くには、それぞれの組織が独自に行う採用試験に合格し、採用される必要があります。ややこしいのが、合格後採用試験が別途ある事です。事務職の試験は事務に従事する職員を選ぶ「一般職試験」と政策立案にかかわる職員を選ぶ「総合職試験」が、警備職の試験には「衛視(えいし)試験」があります。給料を含めた勤務条件は一般職の国家公務員と同様のものとなっています。両議院事務局は、これまで組織のスリム化を進めてきましたが、議員の立法活動を求める声は高く、今後も事務局で調査に強い職員を求める傾向は続くものと考えられています。

 

仕事内容

 

参議院・衆議院事務局職員は、「国会職員」という特別職の国家公務員です。前途に記載をしていますが、仕事内容は両院でほぼ共通しており、どちらの職員の仕事も事務職と警備職に二分されます。

事務職の主な内容は3つです。

  1. 会議運営事務:本会議議長や委員長の補佐、関係者間の連絡調整、会議資料作成など
  2. 調査:国政調査などの調査事務、議員の要請に沿った調査、資料作成など
  3. 一般事務:議員活動の補佐、人事や厚生など事務局の管理運営事務、施設管理など

また、事務職の中には、情報システムの管理、施設・設備の営繕などを担う技術職も含まれます。一方、警備職では、院内の警備や要人などの身辺警護、議院の受付での来訪者対応などを行います。いずれも、裏方仕事ですが、政治の現場を支えている実感と誇りが持てるといいます。

 

職員になるには・必要な資格は?

各院が独自に行う採用試験に合格すると、採用への道が開かれます。事務職職員の試験には、いわゆる事務に従事する職員を選ぶ「一般職試験」と政策立案にかかわる職員を選ぶ「総合職試験」、警備職の試験には「衛視(えいし)試験」があります。

衛視とは、警備担当職員のことです。試験は難易度により、大学卒業程度の能力が必要な「大卒程度」、高校卒業程度の「高卒程度」があります。

なお、技術職については、参議院では「総合職技術試験」を実施していますが、衆議院では、国家公務員採用一般職試験合格者から技術職職員を採用しています。それぞれの受験資格には、年齢制限などはありますが、学歴は問われません。

ただし、いずれの試験も採用人数が少なく、数十倍〜100倍以上の高倍率になりがちなので、併願受験をすべきだといわれています。

 

向いている人の傾向とは

職員の仕事の一つは、各会派や各省庁などとの連絡調整です。関係者の意見が対立しがちな中、委員会や本会議を円滑に進めるために、職員には、相手の心中や状況を察し、妥協点を探りながらやり取りする高いコミュニケーション能力が求められます。

また、政治の現場では、突然の議事の変更など、予期せぬできごとが珍しくありません。状況の急変に迅速、かつ的確に対応するには判断力が必要です。

さらには、職員は、法案の参考資料作成や論文の執筆、各種調査など、多種多様で大量な文書作業に追われます。これをこなしていくためには、情報収集力が不可欠です。

しかし、最初からこれだけの資質や能力を充分備えている人はあまりいないはずです。重圧に負けず、要求される資質や能力を磨き続ける覚悟ができる人が、事務局職員に向いているといえるでしょう。

 

就職状況・雇用形態

常勤の職員は、採用後、数年おきの異動でさまざまな仕事を経験してから、適性などを踏まえて配属先が決定されます。

ただし、事務職職員については、原則的に大卒程度枠の採用者は、会議運営、調査、一般事務を幅広く任されますが、高卒程度枠の採用者は主に一般事務を担当することになります。

一方、勤務地は、基本的に国会議事堂、及び分館、第一議員会館、第二議員会館など、議事堂の周辺施設になります。いわゆる転勤はありませんが、行政官庁などに2年〜3年程度派遣される人事交流で地方勤務になることはあります。

場合によっては、海外の在外公館へ派遣されることもあります。交流期間中は派遣先に勤務し、派遣が終了すれば、事務局にもどって職員として、再スタートします。こうした人事交流は、職員の視野を広げ成長させることが目的です。

 

給料・年収・待遇

両院の事務局職員は、特別職の国家公務員ですが、給料など勤務条件は一般職の国家公務員と同様です。給料を見てみると、総合職(大卒程度)採用者の初任給は、月額213,816円(地域手当32,616円含む)、一般職(高卒程度)採用者で高校卒の場合は、167,678円(同25,578円含む)です(いずれも平成27年実績)。

ここでいう地域手当とは、勤務地での民間の賃金水準で決まるもので、都市部になるほど高くなる傾向があります。その他にボーナスに相当する期末・勤勉手当、残業した際に支給される超過勤務手当、通勤手当などが支払われます。

なお、職員はそれぞれの議院の共済組合組合員となり、組合の行う給付、年金制度などの生活保障サービスを受けられます。また、独身寮が都内やその周辺、近県に設けられているほか、家族宿舎も用意されています。

 

生活・勤務時間・休日

事務局職員の勤務時間は原則的に平日の9:00〜17:45ですが、部署や時期によっては早朝出勤や残業があるようです。たとえば、会議運営事務を行う部署では、委員会開催前日は午前8時過ぎには登庁し、委員会の準備に追われて退庁は23時ごろになるといいます。国会会期中の昼食は、コンビニ弁当が定番です。また、予算や決算などの一般事務にかかわる部署も、時期によっては残業が深夜に及びます。

しかし、基本的に週休2日ですし、年間20日の有給休暇、夏季休暇、出産休暇、育児休業など休暇はとりやすい環境にあるようです。職員からは、仕事が一段落したら有給を使って旅行するなど、ハードに働き、しっかり休む日々を送っているという声が聞かれます。上手にオンとオフを切り替えれば、ほかの仕事では味わえない充実した毎日を楽しめそうです。

 

現状と将来性

国の厳しい財政事情などを背景に、両議院事務局は、これまで組織のスリム化を進めてきました。

議事速記業務を、機械化により速記者不要の仕事としたり、自動車の運転や簡単な事務作業などはアウトソーシングや非常勤職員採用で対応したりして、不要な人員の削除、課の統廃合を行ってきました。

その一方で、事務局の立法支援機能向上のために、とくに議員の立法活動を補佐する調査部門の充実を図ってきました。より専門的な調査を行える職員の確保、議院運営や立法調査についての専門知識、あるいは幅広い視野や知識を職員に身につけさせるために国内外の大学や大学院などへの派遣研修に力を入れてきたといいます。

 

最後に

議員の立法活動を求める声は高いので、今後も事務局で調査に強い職員を求める傾向は続くでしょう。公務員人気もあるのですが少し大変な仕事であることは間違い無いと思います。

また、人工知能が発展してもこの仕事は機械では出来ないので、そういう意味では将来性は高いかもしれませんね。